蓼藍×紅花
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■この色を得るために、藍で下染めをした後、赤色系染料を含む紅花で染める。
この色を二藍と言いますが、古代日本では「藍」が「染料」を指す言葉だったので、中国から伝えられた
紅花は、呉の国の染料という意味で「呉藍」(くれのあい)とも呼ばれました。紅花すなわち
「くれない」は、この「くれのあい」が転訛したものです。
つまり「二藍」という色名は、蓼藍と呉藍(紅花)、二つの「藍」を重ねるというところから
来ています。
蓼藍の染色工程
@ 夏に刈り取った蓼藍の葉を発酵させたスクモ2kgを容器に入れ、水10gに仮性カリ30gを
溶かした物を加え、よくかき混ぜて一晩おく。
A @に約40℃の温湯30g、苛性カリ80gを溶かしたもの、ハイドロサルファイト160gを順に加えてよく
かき混ぜる。40℃に保温して約20分間おくと、還元されて使用可能となるので、この液を
貯蔵原液とし、色相に応じて必要量を取り出して使う。
B 水槽に約40℃の温湯100gを用意し、これに苛性カリ30g、ハイドロサルファイト30g、水1gに
ニカワ50gを煮溶かした物を加えてよくかき混ぜる。
そのままで約10分間おき、還元状態にしておく。
C Bの水槽にAの原液20gを濾過しながら入れて染浴を作る。
D あらかじめ温湯に下浸けしておいた染裂1反(400g)をCの染浴に入れ、液面より布を出さないよう
にして約10分間繰りながら染色する(ph10〜11)。
E 空気酸化を行うため、染浴から直接棹に干し揚げ、棹の跡が出ないように絶えず裂を動かして
水切りした後、水洗する。
F 陰干しして完全に乾いたら、再びD、Eの行程を繰り返す。
G 水60gに10%酢酸20ccを加え、Fの布を入れて繰ったのち、水洗して陰干しする。
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紅花の染色工程
H 紅花の散花500gを水200gに2日間浸け込む。花が鮮やかな色になったら水を換えて揉み洗いし
絞り上げる。絞り汁から黄水がほとんど出なくなるまで何度も繰り返す。
I 絞り上げてほぐした紅花に、炭酸カリ20gを水1.8gで溶解したものを加えて、30分間ほど
よく揉み込む。これを麻袋に詰めて押しをかけると、一回目の抽出液1.9gが得られるので、
10%酢酸溶液20ccを加えてph7.5付近にする。
J Iで抽出したあとの紅花を取り出し、I再びIの作業を行い抽出液を取り出す。これを5回繰り返す。
K 黒灰1kgに熱湯20gを加えて濾過し、一晩おいた上澄液を水40gに加える。この中にあらかじめ
温湯に下浸けしておいたGの藍染裂を、数時間浸けておく。
L 水40gに10%酢酸250ccを加え、Kの布を入れて20分間繰ったのち、水洗する。
M 水50gに紅花の抽出液すべてを濾過しながら加えて染浴を作る。Lの染裂を入れて約10分間
繰りながら染色し、10%酢酸溶液400ccを加えてさらに約10分間染色したのち、水洗する。
N 水60gに、クエン酸30gを水1gで溶かしたものを加えて発色浴を作る。
Mの染裂を入れて約10分間繰りながら発色したのち、水洗する。
O 最後に色止めとして、黄檗(きはだ)20gに水2gを加えて30分間煮沸する。
水60gにこの抽出液を加えた染浴を作り、Nの裂を5分間繰り水洗して仕上げる。
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