コチニール

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  コチニールはメキシコ原産のウチワサボテンというサボテンの一種に寄生している虫。

  これから取れる赤色系の色素は古くから中南米の染織に使われていた。

  後にスペイン人によりヨーロッパへ運ばれフランスのゴブラン織りや赤い軍服などに使われた。

  又、現在でも染料としてばかりではなく、ケチャップなどの食品着色料としても利用されている。



赤い色素を含む乾燥させたコチニール



 染色行程

@
 乾燥させたコチニール100gに水5gを入れ、アルカリ性にすれば効率よく抽出できるので、

   炭酸ソーダ25gを加えて60分間煮沸して抽出する。これで約4gの抽出液が得られる。


A  @の抽出液をすべて取りだし、新たに水4gと炭酸ソーダ20gを加えて60分間煮沸して約3.2gの

   抽出液を得る。


B  Aの抽出液をすべて取りだし、新たに水3.2gと炭酸ソーダ16gを加えて60間煮沸して約2.5gの

   抽出液を得る。


C  @からBの抽出液を合わせ、これに酢酸10%溶液600ccを加え中和して染液とする。


中和してコチニール本来の赤色に変化した染液



D  結晶明礬60gと炭酸ソーダ7gを60gの温湯に溶解し媒染浴を作る。


E  Dの媒染浴にあらかじめ温湯に下浸けしておいた染裂絹1反(312g)を入れて約30分間繰りながら

   媒染して水洗する。


媒染作業中



F  Cの染液5gを60〜70℃の湯60gに入れ、さらに酢酸10%溶液を加えてph6.0付近の

   染浴を作る。


G  Eで媒染した染裂をFの染浴に入れ、約30分間繰りながら染色し水洗する。




H  E〜Fの行程をさらに2回繰り返し、所定の濃度に達したらよく水洗して乾燥する。

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